気が狂う。
月の光が、窓からさしこんですべてを明るく照らしているけど、
僕は、その光の中に入っていけない。
ベッドの上で丸く丸く身を縮めながら、
もっともっととちぢめながら、
唇を噛み締めて、内と闘う。
消えてしまえばいいのだ。
僕の存在ナゾ、この世にとってはなんでもないことなんだ。
ちがう。
ぼくはこんなことが言いたいんじゃなくって。
でも、どういったら良いんだろう?
焦燥感?
ぼくはぼくはぼくはぼくは。
なんだろう。
ひたすらまるく。縮んでちぢんで、僕などいなくなってしまえばいい。
あの人のことを、傷つけることしかできない僕。
ぼくが不幸にした、僕が変えてしまった。
涙が出そうで出ない。
早く流れて欲しいのに、そしたら、すこしはこの身のうちの渦巻くいやな気持ちは
おさまってくれるんだろうか。おさまってくれる。
はやくはやく!
月の光が部屋を照らす。
殺風景ナ僕の部屋。
白いシーツ。
白いシーツ!
乱したくなる、めちゃくちゃにしてぐちゃぐちゃにして、抱きしめたくなる。
あの人……あの子!
ぼくはなんて事をしてしまったんだろう!
ぼくがまとっているのは、白いかんとうい一枚。
まるで囚人のように。
囚人だ、あの子も一緒、ぼくとイっしょ。ひどい!でも違う!
あの子はきれいだ!ぼくとちがって、ぼくとちがってきれいでひかってて
ああ、だからなんだ
だからぼくは月の光の中へと出たくはないのだ。
月の光はぼくをこわす。
ぼくをまっすぐに見つめるから、ぼくはそれに耐えられないから、ぼくは見たくない。
ぼくは消えたくない。
噛む。
そっと、そして、ぎゅっと。
そっと吐息をつく。
甘い吐息、ああ!
耳元でききたいのだ、ぼくのすぐそばで!
ぼくが導きたいのだ、ぼくが!ぼくが行うことで君がどんな声をだすのか、ききたい、この耳で!
それだけでいいのに、それだけでいいのに、たったそれだけのことなのに
でも、その前に嗅ぎ取ってしまう、君に染み付いてしまった香りを。
ぼくは思わず涙しそうになってしまう、なぜ。
その香りは、君には似合わない。でも、ぼくが永遠に君につけてしまったのだ。
なぜ。
ああ、後悔しても遅い。
ぼくは枷を負わなくてはならない、もうはずせない、はずせない枷。
ぼくは消えなくては、消えたくない、君の吐息をきくまでは。
でも、消えなくては、消えてしまいたい、でも、消えるわけにはいかない。
焦燥感だ、募るばかりだ、この……
アイシタイ、アイシタイ、ボクガココロガコワレルクライニ
・・・・・・ッ・・・?
涙が出ない。
ぼくは荒い息をついて、シーツをつかんで、抱き寄せる。